乙種第6類
消防設備士 乙6の過去問は
14問しかない
「過去問を解けば受かる」とよく言われます。ところが消防設備士では、 その過去問がほとんど手に入りません。 どれだけ探しても見つからないのは、探し方が悪いからではなく、最初から世に出ていないからです。
公開されている問題を数えてみた
試験実施機関は「過去に出題された問題」として、乙種と甲種のサンプルを公開しています。 このうち乙種のPDFに収録されているのは、数えると全部で41問。ただしこれは乙種第1類から第7類までの全部を合わせた数です。
乙6の受験者に関係するぶんを抜き出すと、こうなります。
| 科目 | 公開されている問題数 |
|---|---|
| 消防関係法令(共通・第1〜7類) | 7 |
| 消防関係法令(類別・第6類) | 1 |
| 基礎的知識(機械) | 4 |
| 構造・機能・整備(機械・第6類) | 1 |
| 構造・機能(規格・第6類) | 1 |
| 合計 | 約14問 |
本試験は筆記30問と実技5問です。本番1回分にも満たない量しか公開されていないことになります。 類別の科目に至っては、各1問ずつしかありません。
なぜ増えないのか
消防設備士試験では、問題用紙を持ち帰れません。 試験終了時に答案用紙とあわせて回収されます。
つまり受験者は、自分が解いた問題を1問も手元に残せません。 公開されているぶん以外に本物の過去問が外に出る経路が、そもそも存在しないのです。 来年も再来年も、この状況は変わりません。
では市販の「過去問題集」は何なのか
書店にもアプリストアにも「過去問」を名乗る教材が並んでいます。 中には「実際に出題された問題を収録」と書かれているものもあります。
しかし問題用紙が回収される以上、出題された問題をそのまま収録することはできません。 実体は、受験者の記憶に基づいて再現された問題か、出題範囲から逆算して作られた予想問題のどちらかと考えるのが自然です。
これは批判ではありません。この試験では、誰が作っても「独自に作成した問題」にしかなりようがないという話です。 問題は、その事実が伏せられていると、受験者が教材を比べる基準を失ってしまうことです。
だから、教材は「根拠」で選ぶ
全員が独自に作った問題を売っているなら、比べるべきはその問題が何に基づいて作られたかです。
消防設備士の出題は、そのほとんどが消防法・消防法施行令・消防法施行規則・規格省令の 条文をそのまま問うものです。 逆にいえば、条文のどこに書いてあるかを示せない問題は、根拠がないということになります。
教材を選ぶときの1つの基準
解説に条文番号が書いてあるかを見てください。 「消防法施行規則 第6条第6項」まで書いてあれば、自分で条文を開いて確かめられます。 書いていない教材は、正しいかどうかを読者が検証できません。
たとえば「消火器具は歩行距離20m以下に配置する」という頻出論点は、 消防法施行規則 第6条第6項に書かれています。 一方で「大型消火器は30m以下」は同じ条文ではなく、第7条という別の条です。条と項を取り違えたまま覚えてしまうと、 条文をたどって確認することもできなくなります。
試しに解いてみる
この記事で触れた論点を、実際の出題形式で確認できます。 すべての問題に条文の根拠を付けています。
ためしに解いてみる(1/3)・消火器具の配置(歩行距離)
消火器具の配置について、消防法令上、正しいものは次のうちどれか。
よくある質問
- 消防設備士乙6の過去問は何問公開されていますか?
- 試験実施機関が公開している乙種のサンプル問題は全部で41問です。これは乙種第1類から第7類までの全部を合わせた数で、乙6の受験者に関係するのは約14問です。
- 試験問題は持ち帰れますか?
- 持ち帰れません。試験終了時に問題用紙を返却します。そのため、公開されているぶん以外に本物の過去問が世に出ることはありません。
- 市販の「過去問題集」は本物の過去問ですか?
- 問題用紙が回収される以上、実際に出題された問題をそのまま収録することはできません。受験者の記憶に基づく復元問題か、出題範囲から作成された予想問題と考えるのが自然です。