科目免除

科目免除は
使うべきか

消防設備士試験には科目免除の制度があります。受けられるなら受けたほうが楽に見えますが、免除された科目は合格判定の母数からも外れます。何が消えるのかを条文で確認すると、判断は単純ではありません。


まず合格基準を確認する

筆記試験の合格基準は、消防法施行規則 第33条の11の2 に定められています。 甲種特類以外の指定区分では、こうです。

試験科目ごとの成績がそれぞれ40パーセント以上で、かつ
当該試験科目全体の成績が60パーセント以上であること

消防法施行規則 第33条の11の2 第2号

重要なのは、同じ条文に括弧書きで「免除された試験科目の全部又は一部を除く」と書かれていることです。免除された科目は、40パーセントの判定からも、 60パーセントの母数からも外れます。

筆記の科目は3つしかない

甲種特類以外の筆記試験の科目は、規則 第33条の10 第2項で3つに整理されています。

条文上の番号科目
第1号機械又は電気に関する基礎的知識
第2号消防用設備等の構造、機能及び工事又は整備の方法
第3号消防関係法令

免除の条文はこの番号で書かれています。つまり「第1号を免除する」=基礎的知識が消える、という読み方をします。

乙6で免除を受けられる人

規則 第33条の11 に定めがあります。乙種第6類に関係するものを抜き出すと、次のとおりです。

持っている資格免除される科目
他の類の免状(甲種・乙種)消防関係法令のうち、すべての指定区分に共通する部分
乙種第5類の免状機械に関する基礎的知識
甲種第5類の免状機械に関する基礎的知識
技術士(機械部門)基礎的知識 と 構造・機能・整備 の両方
消防団員として5年以上+専科教育の機関科修了基礎的知識 と 実技試験

いずれも条文は「申請により」免除すると書いています。 黙っていて自動的に適用されるものではなく、受験時に資格を証明する書類を出す必要があります (規則 第33条の13)。

免除すると何が起きるか

乙6の筆記は、基礎的知識5問・消防関係法令10問・構造機能15問の計30問です。 ここで法令の共通部分(6問)が免除されると、判定はこう変わります。

免除なし法令共通を免除
筆記の問題数30問24問
60%に必要な正答数18問15問
残る科目基礎・法令・構造機能基礎・法令(6類)・構造機能

必要な正答数は18問から15問に減ります。ここだけ見れば楽になったように見えます。 しかし減ったのは「取りやすい問題」のほうです。 消防関係法令の共通部分は、用語の定義・消防用設備等の種類・防火管理者といった、 条文を覚えれば確実に取れる範囲です。

免除の本質

免除とは「点を稼ぐ場所を減らして、勝負を難しい科目に寄せる」ことです。 得点源を手放してよいかどうかは、免除される科目で自分が何割取れるかで決まります。

判断の目安

条文からは「免除すべきか」は決まりません。決まるのは免除される科目の中身と、そこで自分が何点取れるかだけです。 したがって順序はこうなります。

  1. 免除される科目が具体的にどの範囲かを確認する
  2. その範囲を実際に解いてみて、正答率を測る
  3. 高く取れるなら免除しない(得点源として使う)。 低いなら免除して、残りに時間を集中する

よくある失敗は、2番を飛ばして「免除できるからする」と決めてしまうことです。 免除される範囲を一度も解かずに手放すと、 自分が捨てたものが得点源だったのか難所だったのかを、最後まで知らないまま受験することになります。

免除される範囲を測ってみる

他の類の免状を持っている人が免除できる「消防関係法令の共通部分」から出題します。 ここで手応えがあるなら、免除しないほうが有利かもしれません。

ためしに解いてみる(1/3)・消防用設備等の種類

消防法令上、警報設備に含まれないものは次のうちどれか。

よくある質問

消防設備士の科目免除を受けると有利ですか?
一概には言えません。合格基準は科目ごと40%以上かつ全体60%以上で、免除された科目は母数から外れます。得点源になりやすい科目を免除すると、残った科目だけで60%を作ることになります。
乙種第6類で免除を受けられるのはどんな人ですか?
他の類の免状を持っている人は消防関係法令のうち共通部分が、甲種第5類の免状を持っている人は機械に関する基礎的知識が、申請により免除されます。ほかに技術士、電気工事士、電気主任技術者、一定の要件を満たす消防団員に対する免除が定められています。
免除は自動的に適用されますか?
されません。条文はいずれも「申請により」免除すると定めており、受験の際に免除に係る資格を証明する書類を提出する必要があります。

科目ごとの正答率を出してから決める

全問に消防法令の条文番号を付けた一問一答です。 科目別の正答率が出るので、免除すべき科目とそうでない科目を数字で判断できます。

乙6の一問一答をはじめる

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