類の選び方
類は何が違うのか
どれから取るか
消防設備士は「消防設備士」という1つの資格ではなく、 扱える設備ごとに区分が分かれています。どれか1つを取れば終わり、という作りになっていないことが、この資格の性格を決めています。
類ごとに扱える設備が決まっている
どの類で何を扱えるかは、消防法施行規則 第33条の3 に表で定められています。 甲種はこうです。
| 指定区分 | 扱える消防用設備等 |
|---|---|
| 特類 | 特殊消防用設備等 |
| 第1類 | 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備 |
| 第2類 | 泡消火設備 |
| 第3類 | 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備 |
| 第4類 | 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備 |
| 第5類 | 金属製避難はしご、救助袋、緩降機 |
乙種は上の第1類から第5類までに加えて、次の2つがあります。
| 指定区分 | 扱える消防用設備等 |
|---|---|
| 第6類 | 消火器 |
| 第7類 | 漏電火災警報器 |
水系が第1類と第2類、ガス系が第3類、警報系が第4類と第7類、避難系が第5類、 消火器が第6類、という並びで覚えると位置関係がつかめます。
甲種と乙種の違いは2つ
まずできることが違います。消防法 第17条の6 は、甲種免状の交付を受けている者が 行うことができる「工事又は整備」、乙種免状の交付を受けている者が行うことができる 「整備」と書き分けています。つまり乙種は工事ができません。
もうひとつは受験資格です。甲種には規則 第33条の8 に受験資格が定められており、 機械・電気・工業化学・土木・建築に関する学科の卒業、技術士、電気工事士、 電気主任技術者、工事の補助者としての5年以上の実務経験などのいずれかが必要です。
乙種には受験資格の要件がない
規則が受験資格を定めているのは甲種についてです。 乙種第6類は、こうした要件を満たしていなくても受験できます。 最初の1つとして選ばれやすいのはこのためです。
なお甲種特類だけは別扱いで、第1類から第3類までのいずれか、第4類、第5類の免状を持っている者でなければ受験できません(規則 第33条の8 第2項)。 構造上、いちばん最後に来る区分です。
1つ取ると、次が軽くなる
取る順番を考えるうえで効いてくるのが、規則 第33条の11 の科目免除です。 条文には、既に他の類の免状を持っている者について次の定めがあります。
| 条件 | 免除される科目 |
|---|---|
| 他の類の免状を持ち、別の類の筆記を受ける | 消防関係法令のうち、すべての指定区分に共通する部分 |
| 甲種第1〜3類のいずれか、または乙種第5・6類の横断 | 機械又は電気に関する基礎的知識 |
| 甲種第5類 → 乙種第6類 | 機械又は電気に関する基礎的知識 |
| 甲種第4類 → 乙種第7類 | 機械又は電気に関する基礎的知識 |
消防関係法令の共通部分は、どの類を受けても同じ内容が出ます。1つ免状を取れば以降はそこが免除できるので、 2つ目以降は「その類に固有の範囲」に集中できる構造になっています。
ただし免除は有利とは限りません。共通部分は覚えれば確実に取れる範囲なので、 免除すると得点源を手放すことになります。この判断は科目免除の記事で詳しく扱っています。
順番の考え方
条文から「この順番が正しい」とは決まりません。決まっているのは次の3つだけです。
- 乙種には受験資格の要件がない。甲種は学歴・資格・実務経験のいずれかが要る
- 1つ取ると、以降は法令の共通部分を免除できる。最初の1つの負担が最も重い
- 甲種特類は最後にしか取れない。第1〜3類のいずれか・第4類・第5類の免状が前提
この3つから言えるのは、受験資格が要らない類で最初の1つを取ると、その後の全体が軽くなるということです。 乙種第6類(消火器)が入口として選ばれやすいのは、 受験資格が不要で、扱う設備が消火器という身近な1品目に絞られているためです。
この資格は1回で終わらない
区分が分かれている以上、扱いたい設備が増えれば類を増やすことになります。 1回受けて終わりの資格ではなく、数年かけて複数の類を積み上げていくのが前提の作りです。
共通部分を試してみる
どの類を受けても出る「消防関係法令の共通部分」から出題します。 ここは最初の1つで身につけておくと、2つ目以降ずっと効きます。
ためしに解いてみる(1/3)・検定の対象
検定対象機械器具等は、検定に合格した旨の表示が付されているものでなければ、販売の目的で陳列することができない。
よくある質問
- 消防設備士の類はいくつありますか?
- 甲種は特類と第1類から第5類まで、乙種は第1類から第7類までの指定区分があります。扱える消防用設備等は指定区分ごとに施行規則で定められています。
- 甲種と乙種の違いは何ですか?
- 甲種は工事と整備の両方を行うことができ、乙種は整備のみを行うことができます。また甲種の受験には学歴・資格・実務経験などの受験資格が必要ですが、乙種にはこうした要件がありません。
- どの類から取るのがよいですか?
- 条文から一律の正解は決まりません。ただし乙種には受験資格の要件がなく、また1つ免状を取ると他の類の筆記試験で消防関係法令の共通部分が免除されるため、最初の1つを取ると以降の負担が下がる構造になっています。
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