科目別の要点
消防関係法令
(6類)の要点
消火器具をどこに何本置くか、という範囲です。数値が多く見えますが、問われているのはたいてい「何を何で割るか」で、割る相手さえ間違えなければ答えは出ます。
1. どこに設置するか
施行令 第10条第1項が設置対象を定めています。3段階+追加2条件という構造です。
| 条件 | 主な用途 |
|---|---|
| 面積に関係なく | 劇場(一)項イ、キャバレー等(二)項、病院・福祉(六)項の一部、地下街 |
| 延べ面積 150㎡以上 | 公会堂(一)項ロ、百貨店(四)項、旅館・共同住宅(五)項、工場(十二)項、倉庫(十四)項 |
| 延べ面積 300㎡以上 | 学校(七)項、図書館(八)項、駅(十)項、神社(十一)項、事務所(十五)項 |
| 面積に関係なく | 少量危険物・指定可燃物を貯蔵し、または取り扱うもの |
| 床面積 50㎡以上 | 上記以外の建築物の地階・無窓階・3階以上の階 |
最下段だけ判定の物差しが違う
150㎡・300㎡は延べ面積、50㎡は階の床面積です。 同じ「面積」でも何の面積かが違うので、ここを混ぜると答えが合いません。
2. 何本置くか(能力単位)
規則 第6条第1項です。必要な能力単位は延べ面積 ÷ 算定基準面積 で求めます。算定基準面積は3段階です。
| 算定基準面積 | 区分 |
|---|---|
| 50㎡ | (一)項イ、(二)項、(十六の二)項、(十六の三)項、(十七)項 |
| 100㎡ | (一)項ロ、(三)〜(六)項、(九)項、(十二)〜(十四)項 |
| 200㎡ | (七)項、(八)項、(十)項、(十一)項、(十五)項 |
主要構造部を耐火構造とし、内装を難燃材料でしたものは、この数値が2倍になります (規則 6条2項)。緩和には耐火構造と難燃材料の両方が必要です。
除数が変わる場面が3つあります。ここが最も混同されます。
| 対象 | 何を何で割るか |
|---|---|
| 少量危険物 | 貯蔵・取扱いの数量 ÷ 指定数量 |
| 指定可燃物 | 貯蔵・取扱いの数量 ÷ 数量の50倍 |
| 多量の火気を使用する場所 | 床面積 ÷ 25㎡ |
| 変圧器・配電盤等の電気設備 | 床面積 100㎡以下ごとに1個(能力単位ではなく個数) |
電気設備だけ数え方そのものが違います。能力単位ではなく個数で決まります。 少量危険物の定義に出てくる「指定数量の5分の1以上」は定義の数値であって、 算定に使う数値ではありません。
3. どう置くか
配置は歩行距離で測ります(規則 6条6項)。直線距離ではありません。 間仕切壁を回り込む必要がある配置では、直線で20メートル以内でも不適合になります。
| 項目 | 基準 | 条文 |
|---|---|---|
| 配置(大型以外) | 階ごとに歩行距離 20m以下 | 規則 6条6項 |
| 配置(大型) | 歩行距離 30m以下 | 規則 7条1項 |
| 設置高さ | 床面から 1.5m以下 | 規則 9条1号 |
| 標識 | 「消火器」と表示、見やすい位置 | 規則 9条4号 |
| 転倒防止 | 粉末消火器等、漏出のおそれのないものは不要 | 規則 9条3号 |
20mと30mは条も違います(6条と7条)。数値だけでなくどちらの条文の話かまで一緒に覚えておくと、条文で確かめられます。
4. 減らせる場合
他の消火設備があれば能力単位を減らせますが、減らせる割合が2つあります。
| 設けたもの | 減少できる限度 |
|---|---|
| 大型消火器 | 2分の1まで(規則 7条2項) |
| 屋内消火栓設備・スプリンクラー設備等 | 3分の1まで(規則 8条) |
いずれも11階以上の部分には適用されません(規則 8条4項)。 高層階は避難と消火活動が難しく、初期消火の手段を減らすべきでないためです。
5. 置けない場所
二酸化炭素またはハロゲン化物を放射する消火器は、地下街・準地下街などに設置できません (令 10条2項1号ただし書)。総務省令で定める場所は、換気について有効な開口部の面積が床面積の30分の1以下で、かつ床面積が20㎡以下の 地階・無窓階・居室です(規則 11条2項)。両方を満たす場所が対象です。
例外はハロン1301(ブロモトリフルオロメタン)だけで、これは設置できます (規則 11条1項)。他のハロゲン化物は例外になりません。
この科目を試す
収録している38問から出題します。すべて条文の根拠つきです。
ためしに解いてみる(1/3)・消火器具の配置(歩行距離)
消火器具の配置について、消防法令上、正しいものは次のうちどれか。
よくある質問
- 消火器具の配置は何で測りますか?
- 歩行距離です。水平距離ではありません。大型消火器以外は防火対象物の階ごとに各部分から一の消火器具に至る歩行距離が20メートル以下、大型消火器は30メートル以下となるように配置します。
- 能力単位はどう算定しますか?
- 延べ面積または床面積を、防火対象物の区分に応じた算定基準面積(50・100・200平方メートルのいずれか)で除して得た数以上とします。主要構造部を耐火構造とし内装を難燃材料でした場合は、この面積が2倍になります。
- 二酸化炭素消火器を設置できない場所はどこですか?
- 換気について有効な開口部の面積が床面積の30分の1以下で、かつ床面積が20平方メートル以下の地階、無窓階または居室です。両方を満たす場所が対象になります。地下街や準地下街も原則として設置できません。
あわせて読む
- 乙6の過去問は14問しかない
公開されている問題を数えると14問。市販の「過去問題集」の正体と、教材の選び方。
- 科目免除は使うべきか
免除された科目は合格判定の母数からも外れる。減るのは取りやすい問題のほう。
- 類は何が違うのか/どれから取るか
類ごとに扱える設備が決まっている。乙種に受験資格は要らず、1つ取ると次が軽くなる。
- 年に何回受けられるのか
法が定めるのは「毎年1回以上」だけ。全国の日程を数えると乙6は年137回。